
市営駐車場のすぐ脇の細い道から海岸を目指すと、海沿いの小さな公園・油壺公園に出ました。

この谷戸にはかつては兵舎が建ち並び、周囲に特殊潜航艇・海龍や、震洋特攻艇の格納壕が掘られていたそうです。

海龍とはSS金物とも呼ばれた、二人乗りの潜水艦型の水中特攻兵器でした。

ここ油壷には第11突撃隊・海龍隊および、第56震洋隊が配備されていた記録があります。

現在はヨットがのんびり浮かんでいる油壷湾に、かつての戦争の爪痕を探してみましょう。

ひっそりとした公園のすみの藪に目を凝らすと、

コンクリートで塞がれた海龍壕の跡をみつけることができました。

壕はいくつか見られますが、残念ながら入り口はこのように塞がれています。

>くんくん!?

>ああ、ざんねん、うめられちゃってますね・・・

>くんくくくっ!やっとひとつあいてるのをみつけました。

この壕はいまも何かに使われているようですね。

さらに隣接してこんな壕や、

こんな壕を見ることができました。使用者に声をかけて写真だけ撮らせてもらいましたが、

ここでの探索は、こんな感じで、そんなにテンションの上がるものではありませんでした。
ちょっと場所を変えて、湾のあっちのほうでもいってみようか?

・・・というわけで、ちょっと場所をずらしてもう一度湾にアプローチしてみます。

エメラルドの美しい海が覗いています。

こんなところに降りてきました。

この建物は、験潮場といって、海水面の高さを図る施設です。
陸軍が明治28年に銚子からここに移設したと言われています。
4枚目の海龍の写真の後方に写っているのがこれです。

このすぐ横には、震洋艇の桟橋の跡が今も残っています。

ここから海に入って、

さっきの公園方面に行ってみましょう。

岸づたいにしばらく行くと、不明な遺構があり、

さっきのと同じような桟橋跡があります!

>くんくんくん!ここはにおいますよ!

後方の藪に進入しましょう!

すると、おっ!すぐにりっぱな壕がありました!

これが震洋壕なのか海龍壕なのかわかりませんが、幅より高さが若干上回り、一直線の形は、震洋ではなく海龍壕ではないかと思います。

壕の途中で隔壁が作られています。まだ先があるようです。
こんなのは初めて見ました。この隔壁が往時のものか定かではありません。

入り口には扉の跡と思われる痕跡がありますね。

これも震洋壕としては見慣れないものです。

さらに周りを探索しましょう。
この壕の右手に向かうと、すぐにもう一つ別の壕を見つけました。

さっそく進入します!

20mほど先で左に曲がっています。

そのさらに先でまた左に曲がっているようです。肉眼では真っ暗で限界です。ここまでかな(笑)

とりあえず引き返し、

脱出しましょう。

さっきの壕をはさんで反対側、左方向を探しにいきます。

やはりすぐにまた壕がみつかりました!

迷わず進入です!

>くんくんくくくっ!

なんと!これはさっきの隔壁の反対側ですね!

>さっきのサイショのゴウのイリグチがあっちがわにみえますよ!

そして反対側は右に曲がっています、ということは2番目の壕と繋がっているのでしょう。

まとめると、まさに「爪」の字のような構造で、3本の壕が連結されているようです。

>いや~メイロみたいでした!ふう~

験潮所方面にひきかえします。

なんかレールの跡みたいなのが落ちてるね。

奥を見ると、やはりありました!

これは単純な壕のようです。震洋か海龍か?まっすぐ長いから海龍壕なんでしょうか?

いままで見た震洋壕と比べると幅より高さのほうが長いです。

とにかくまっすぐで行き止まり。

最近複雑なのが多かったのでこういうのはほっとします。

脱出しましょう。

験潮所のほうに戻りましょう。

今日もいい天気。波穏やかで気持ちいいです。

こんどは験潮所の反対側、湾の外に向かって探索しましょう。

現在係船禁止のこのエリアですが、古い係船柱がたくさんあります。海軍時代のものでしょうか?

そんな一つの奥に小さい壕がありますね。

これは倉庫とか資材庫のようなものでしょうか。

中は二股にわかれていますが、奥行きはありません。

さらに進みます。

振り返ると、験潮所と2つの震洋桟橋跡、ヨットハーバーが一望できます。

>きもちいいです

干潮のキラキラした浅瀬を歩いていくと、

岩陰に隠れるような壕を見つけました。

これは幅広でまっすぐです。

進入しましょう!

奥行きは25mくらいです。

最奥部は両サイドが少し高くて、奥の壁の前が雛壇のようになっています。

>ヨウトはフメイですが、とりあえずのってみました!

ここでは艇の修理を行っていたのでしょうか、特殊な壕のように感じます。

脱出します。

干潮の海面からは2mくらいの高さがあります。何か理由があるんでしょうね。

このあたりは歩きやすいね。

古い係船柱があちこちにあります。

ほかにもなんらかの遺構が散見されます。

艇を横付けできるように岸が成形された跡が見られます。

その先に、ほっとするような小さい砂浜が現れました!

そしてその裏に、また壕を見つけました!

手前には正体不明な一対のコンクリートの構造物があります。

15mくらいのシンプルな壕です。

>なんか、かわいいですね!

コンパクトな震洋壕っぽいです。

まあこんなとこかな、砂浜に戻ろっか。

ここは秘密の砂浜っぽくていいところですね

>チャプチャプ、きもちいいです!

このすぐ先には、今日の探検のゴール地点である、東大臨界研究所の建物が見えています!

はあ、お疲れさん!あとはこの砂浜でちょっと遊んでいこっか?

>ひゃっほぅ!

>・・・といいたいとこなんですが、、

>じつはとちゅう、めちゃくちゃニオうところがあったんです!もしかしたら、とんでもないものをミオトしてるかもしれません!

>もういっかいもどりましょう!あそぶのはそれからでいいです(キリッ)!

ええっ!?グレース?いったい何を!?

(つづく)



でも臭うなんて言うからちょっとバッチイものを想像しちゃいました(笑)
どの写真もグレースちゃんがパパを見つめるお目々が大好き

この手の探検は虫やヘビがいない今がシーズンなので、
ずっと楽しみにしていました。
グレも探検は大好きみたいです。
次回ですが、こういうのに興味があまりない人でも、
お~これすごいな~っていうような遺構が出てきますよ!
インディージョーンズみたいな(笑)