がキャッチフレーズのローカル線、千葉県のいすみ鉄道沿線に来ていますよ。

ここは遮断機も警報器もない第4種踏切としては全国一有名になった、
「ゆる鉄の聖地」といわれている第2五之町踏切というところです。

春にはこんな風景を目当てにたくさんの人が訪れる、「なんにもない」ところに・・・

「とんでもない」ものが眠っていると聞いてやってきました!
>さあ、わたしについてきてください!

上総中川駅にほど近い、神社と小学校のあいだの細い道を入っていきます。なんだ、なんにもなくはないね(笑)

小学校の体育館の裏に回ると、

畑と、その奥にはほんとになんにもなさそうな森があります。

>くんくん!?このおくからにおってきますよ!

ジャングルのような森に分け入っていきます。


>くんくく、ちかくなってきました!

>このへんからにおいがしてくるみたいですが・・・

>くんくくくくっ、くんっ!

>これ、センセキです!

砲台にしてはちっちゃすぎるし、なんだこれ!?

>あっちをみてください!!

奥にある大きなトンネルが、太平洋戦争末期に造られた特攻機、桜花43乙型の格納庫、
そしてこの丸いものが、トンネルから出した機をカタパルトへと誘導するターンテーブルの跡なのです!

特攻機・桜花は、機首部に爆弾を載せた小型航空特攻兵器で、
最初は母機に吊るされて目標付近でミサイルのように発射されて搭乗員が誘導して目標に体当たりさせるものとして開発投入されました(11型)。

しかし発射前に母機が撃墜されてしまい、戦果を挙げることができなかったため、
連合軍の侵攻に備え、ジェットエンジンで地上からのカタパルト発進方式に改められた43乙型が開発されたのです。

房総半島南部には、ここいすみ市行川と三芳村に、桜花の秘密基地が作られたのだそうです。

テーブル周囲には、ボルト跡みたいなのが残っていますね!

では、格納壕のほうを見てみましょう。

いままで見てきた震洋や海龍の基地と違って、かなり大型の地下壕です。

入り口近くの側面にはなんらかの機構を備えていたと思われる窪みが残っています


桜花は全幅約5mとのことですが、

組み立て式であったため、壕の幅はそれよりコンパクトになっています。

壕の奥行きは30mくらい。
その半分くらいは、中央が大きくくぼんでいて、向かって右端に排水の溝みたいなのがあります。

>さあ、ナカをよくみてみましょう!

写真だとずいぶん明るく見えますが、

きょうは懐中電灯をもってきてて、ストロボで撮影してるからで、

ほんとは10mも入ると真っ暗で、奥は見えない感じです。

>このてのタンケンはナれました!

最奥はこんな感じです。地層が見えますね。

最奥部付近の床はかなりゴツゴツしていますね

戻りましょう

まん中より出口側の窪みにはレールと枕木が埋め込まれていたのでしょう。

その周囲の床は丁寧に平らに成形されています

中央の窪みと壁面の地層がわかるでしょうか。

懐中電灯だけでスローシャッターで撮るとこんな感じです

当時、山中のこの暗い壕で出撃命令を待っていた隊員の心境は想像を絶するものがあります。

ただ幸い、出撃のないまま終戦を迎えたそうです。


再び外界に出ました

延長線上にターンテーブルがあります。

格納壕から出た特攻機は、ここで写真右方向に向きを変えました。

あらためてその方向を見ると、2本の溝が切られています。

>こんどはそっちのほうこうにいってみましょう!

現在はトロッコのレール跡は残っていませんが、なんとなく道跡がわかります。

堀割状の道跡をたどると整地された場所に出ました。

そのまま延長線を引くようにたどっていくと、

小学校の体育館をかすめるように飛んで行ったのだと思われます。

なんにもない、のどかなこの地に、かつて人の命を載せた兵器が鉄路の上にありました。

いまでは、争い事を知らないムーミン谷の仲間たちがペイントされた列車が、のんびりと海を目指して走っています。

>あのデンシャをおっかけて、ウミにいきましょう!まだなにかありそうです!

(つづく)



大原の八幡岬に行こうと思ってたので参考にさせて頂きます
いすみ鉄道が好きで、土地勘があったので
情報を知って真っ先に行きました。
web上にはそれほど情報はありませんが
地元では知る人ぞ知るという感じらしいです。
八幡岬が後編の話になります(笑)
いすみのキハのサポーターをしてて、沿線には通いましたので、
どこのことかすぐわかりました!
たしかに、高台の上が不自然に真っ平らですよね!
次の冬の探索目標にさせていただきますね!