
大正15年には新軽井沢~草津温泉間が全線開通し、

昭和37年の廃線に至るまで、軽井沢・北軽井沢・草津温泉の三大観光地の発展に大きく寄与した草軽電気鉄道。

このロマンあふれるいにしえの軌跡を求めて、2009年からの数年間、バニーと全線55.5kmのほぼすべてを踏破しました。
(その記録はこちら)

そしてグレースと、当時みた遺構を再びめぐるうち(前回の探索記はこちら)、
そのなかでも最難関ともいえる、山中に眠る二度上駅の廃墟に再訪したくなりました。
そこで雪融け後、芽吹き前の今を狙って、満を持してグレといにしえの軌跡に挑みましたよ!
昭和12年の地図を、

現在の地図に重ねるとこうなります!

熊川源流と、浅間牧場、ゴルフ場に囲まれた山中に、草軽は走っていました。
この地図中央を目指します!
群馬と長野の県境、国境平にきています!
昭和中期までツツジの名所だったここは、ゴーストタウンとなった廃別荘地に変わり果てています!

バニーと歩いた記憶をたどると…


すぐにあの時歩いた軌道跡に辿りつきました!

草が茂ってないので、堀割状の軌道跡は、簡単にトレースすることができます!

左に廃貯水池が見えます。道を間違えていない目印がこれです!

気持ちよい高原の朝です。もちろん熊鈴は必携です。

このあたり、一直線にレールが伸びていたのがよくわかります。

営林のため時々人が入るからでしょう、軌道跡には木が生えていなくて、以前よりもはるかに歩きやすくなったように感じます。

ただのお散歩としても、最高に気持ちいいロケーションです!

倒木だってシラカバですから、邪魔に感じません(笑)

軌道跡が大きく左へカーブしてるとこで、
>くんくくくっ・・・!?

グレース、どうしたの?

>はぁはぁ、なんでもないです、サキをいそぎましょう!たったった!

その先のバニーと汗だくで超えた倒木エリアは

5年以上たっても名残をとどめていました。

そしてその直後、左上と右下に道が分かれて見えるとこに来ました!どっち行けばいいのかな?

>あれー?よくわかんないです、、キがたおれてないこっちにいきましょうかぁ!?

すると・・・なんと!空からバニーの声がするじゃぁないですか!?
>>グレースよ、フォースをつかうのですよ!

>はっ!バニーさん、ありがとうございます!

>わかりました!こっちがセンロのアトです!いきますよ!

グレについて緩やかな坂を下りていくと、右手に姿を現したものは!?

慌てて近寄ると、そこに土に還ろうとしている二度上駅舎の姿がありました!

>はあはあ!エキのにおいがします!

>くんくん、かすかにバニーさんのにおいがします!

あのときから6年の歳月、

そして、廃線から50余年の時の流れは、

この廃墟に大きな変化をもたらしていました。

思えば、あの時も、今日にしても、

この遺構の記録をするうえで、それぞれの節目のラストチャンスだったのかもしれないね。

これからもこの生き証人は、そう長くはない時間をかけて、

かつての栄華と、

その誇りを、

50幾層の落ち葉に溶かしながら、

土になっていくんだろうか。

>ねえ、すこしまわりもみてみましょうよ!

我に返って周りを見渡すと、

写真では分かりづらいかもしれないが、後方の斜面から、「Z]の字を描くように、
駅舎の目の前まで軌道跡がスイッチバックしていたのを感じ取ることができます。

ホーム跡に沿って引き込み線終端方向に歩いてみると、

バニーときたときには草に埋もれて気づかなかった遺構をみつけました!

一説によるとトイレの基礎の跡ということらしいです。

>バニーさんのリベンジもかないましたね!

さてここで、今までの一連の遺構を動画でお見せしましょう。

往時の駅構内の写真と比較しながら、どうぞ。
さてこのあとは、やはりバニーとは見ていない、この駅の北軽井沢側(栗平側)の軌道跡を確認することにしました。

しばらく進むと熊笹の道になり、

聞いていた通り、昨夏グレといった橋台跡にあとすこしというところで、大土砂崩れで通行不能となりました。
あっという間に下に降りてるグレを呼び戻して引き返します。

さあ、帰ろうか、いい探検ができたね!

おっと!帰りは写真右の軌道跡を上がっていかなきゃ、、そっちはちがうよ。

>まだかえりません!このさきにはパラダイスがあるはずです!そっちによっていきたいです!

え~グレース!?なんでそんなことがわかるの~?
>>フォースですよっ!

MAY THE FORCE BE WITH YOU ・・・(from Bunny on MAY 4th)
(つづく)


